実演・・お手本をみせる デモンストレーションをみせる。
「この方法でこの結果が出る」とわかっているときに、その結果を見せるためにする。見せたかった結果にならないと『失敗』となる。
実験・・既にある仮説または仮説(予想)をたて、それが正しいのか正しくないのかを調べる。どのような結果がでても『失敗』ではない。仮説が間違っていたと考える。
(他に、予測できない事にたいして、実際に行って測定することで知識を得る事。)
実験に成功した・・何度も実験を繰り返したり、他の人でも同じ結果が得られた=再現性の確認
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私は整動鍼という鍼の方法を用いて施術をしています。
経絡や気を用いず、ツボで動きを整えるという考えの方法です。「実験」を繰り返し、再現性があることを確認したという方法。 (実験には同じ方法が必要ですので、この場合はミリ単位で指定されたツボに鍼をすることがそれにあたります。)
実際に一つのツボに鍼をすると、テキストで示された通りの変化が得られます。施術者だけでなく患者さんも変化を感じることができ、セミナー中のデモでは、見ている周りの人も変化が分かります。
実演販売の実演と同じです。
それを脳科学でも証明できるところまで進んでいます。
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経絡の理論は約2000年前の書物に書かれています。
当時も、ツボを使った施術が呪術的なものではなく『医療』として認められる必要があったため、理論づけられた部分もあるのではとも言われています。
経絡は解明済みだと思うのか、まだ解明されていないと思うのか、
解明されていないけど存在すると思うのか、そもそも存在しないと思うのか。
鍼灸師の意見はわかれますが、経絡の理論では特に運動器疾患に対処しにくいと多くの鍼灸師が感じていることは事実です。再現性が低いということと、特効穴の存在の謎もあります。
それだけでも経絡とは違う理論を考えるきっかけには十分ですし、既に経絡から離れた様々な療法が生み出されている現実もあります。
経絡の理論を前提にツボに鍼をして、その理論通りの結果が得られないとき「失敗」としていては、鍼の未来は変わりません。実演の考えで実験を繰り返しているだけです。成功したときだけ世に示すようでは正しいものとは言えません。
この場合、前提となっている「経絡理論」についてもう一度考えるべきです。
既に出ている説を疑ったり見直す事は悪いことではないですし、それで説明できない部分から新たな発見もあるかもしれません。一度離れてみることも重要なはずです。
と整動鍼から教えてもらいました。
実験をして確かめ、考察、結論、また仮説・・というのがまだまだできる分野だと言えるのではないでしょうか? 現代の新しいツボ理論が楽しみです。
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大好きなツボ日記のこの記事
整動鍼を勉強している方々の発信はとても活発で、整動鍼の理論から施術効果まで、鍼灸師・一般の方にむけて様々な方法で伝えています。少しでも困っている方の役にたちたいという思いがあります。
整動鍼をとりいれた鍼灸師はその効果に驚き、なんとか伝えたい!と発信する中で、従来の方法や、皆さんが思っているであろう方法と大きく違うことも伝えます。他の方法(流派)と比べて伝えることもあります。
経絡・気の施術をして勉強をしている鍼灸師さんからすると良い気分ではないせいか、整動鍼について否定的な言葉を言われたこともありました。
その際に、この文章のように経絡の素晴らしさもきちんと感じていながらも、他の理論の可能性を考える必要もあるのでは、という伝え方ができていたらよかったなととても思っています。
鍼の世界が広がるブログ。