効果の見える化
多くの方が考える鍼灸はこのようなものだろうと思う。
・鍼灸師は陰陽、五臓六腑、気血水などの概念や理論をもとにし、
身体の証をみたて気を操作するという治療をしている。
・病気になる前の、まだ病気が目に見えない初期段階での治療(予防)に
効果的である。
西洋医学では診断・治療対象になりにくい
見えない段階で、見えないものを操作する、という部分が
鍼灸治療は不思議 信じる (時には怪しい)という言葉が出てくる
理由の一つだろう。
最近では現代医学に基礎を置く治療法も多く存在している。
スポーツの分野で活躍している鍼灸師の多くは、現代医学的な治療を選択している。
鍼をすることで鎮痛物質が発生したり、脳から麻薬様物質が作られ
局所や全身の鎮痛効果も明らかにされている。
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一人一流派といわれるくらい、治療法は様々あるため
鍼灸はなぜ効くの?
という質問へは鍼灸師の数だけ違う答えが挙がるかもしれない。
では
どの治療法がすぐれているのか?
どの考え方が良いのか?一番効果があるのは?
なぜ
医療としての認識が低いのか?認められないのか?
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流派によって理論が様々、診察でも脈、舌、腹、痛み、動き、
何に重きを置いて判断をしているのかが異なり比較が難しい。
もっといえば、ツボですら同じところに取れているのかというところもある。
(足三里は鍼灸師によって取る場所がバラバラになってしまうというツボの代表)
そのような理由もあり
伝統的な治療、現代的な治療、流派の違いというところでは無く、まずは
鍼をすると、身体にどんな影響を及ぼすのか。
さらに
(正確に定められた)一つのツボがどこにどのように身体に作用しているのか、
影響を及ぼしているのか
ということを明らかにしていくことが重要だと思う。
そのうえでその組み合わせや、どのような症状に用いているのか、
再現性などで比較することであれば有効だと考える。
東洋医学が重視してきたのは、エネルギーやその流れ、要素などだ。
科学的に測定できるものではないため認められず、
信じる信じないの世界にもなってしまってきた。
発祥してから数千年、国を超えて大勢の人々の健康を支えてきたという事実は
あるはずなのに。
現代医学的な鍼灸治療にしても、
鍼をすることで鎮痛物質が発生したり、脳から麻薬様物質が作られ
局所や全身の鎮痛効果があることは明らかになっていると先に書いた。
私が勉強して、治療に取り入れているのは整動鍼という方法。
整動鍼は鎮痛効果だけでは説明できない治療効果を多く生み出している。
整動鍼の特徴と魅力 – 一般社団法人 整動協会 SEIDO Association
検査技術も進んだこの時代、今まで測定できなかった部分や
明らかにされなかったことを
画像・数値のデータとして表わし、効果を示すことは可能になっているのでは?
(不思議とされていたものが、目に見えるデータになることもあるかもしれない!)
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なぜ効くのか?
有効な確率は?
科学的根拠がはっきりとすることは
鍼灸治療が現在の医療のなかで認められ、
困っている方の中で安心した選択肢の一つとなり得ることにつながる。
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技術が進歩して色々明らかになっていく中で、忘れてはいけないと思うこともある。
心身一如の考え方
身体は人によって異なる
どんな治療法をとるにしても、いつも根底にあるべき考え方だと思う。
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整動協会では、
「鍼の効果の発現は、脳の働きを変化させた結果ではないか」
という仮説を考えており、この度病院との共同研究が行われるとのこと。
目的は
1,鍼治療の効果の指標を作る。
2、最も効果のある方式を集合させ、鍼治療の標準治療を作る。
3,データの裏付けを持って鍼治療を医学に昇華させる。
4,科学的根拠に基づいた鍼科を創設する
このプロジェクトで明らかにされる科学的な証明が
鍼灸の世界を大きく変えてくれるきっかけになることを期待している。
【脳科学の鍼灸理論】腰から離れたツボで腰痛が軽くなる不思議な理由