施術前に鍼を見せて説明をします。
「思ってたより細いね」「でもちょっと怖いかも」
というのは多くの方の感想。
そして鍼をしたときに少しチクっとする程度だったり、何も感じなかったりで驚かれることがほとんどです。
最近「裁縫の針でもうっかり刺すと痛いからもっと痛いと思っていた」という感想をいただきました。
裁縫の針の太さは普通地用縫い針(約)0.7mm まち針0.55mm
鍼は0.12~0.2mm。(私が主に使うもの)
裁縫の針と比べると太さは全然違います。
小学校の家庭科のまち針(左)と0.18mmの鍼(右)
裁縫の針はしならないけど、鍼はしなります。
ですが、そんな細くてもそのまま刺したらやっぱり痛いんです。
痛い。
そんな刺入時の痛みを和らげるのが管(鍼管・・しんかん)。
これは丸だけど六角のものもあります。管の太さもメーカーによって異なります。
杉山和一という鍼師が考案し、管鍼法と呼ばれます。日本の多くの鍼灸師はこの管鍼法で行っています。
(この管を使わずに直接鍼をする時もありますが、そんな場合でも整動鍼では単純に右手に鍼を持って刺すことはありません。左手で皮膚を少し伸ばし鍼を肌に沿わせてスムーズに刺入しています。)
鍼管から飛び出ている鍼の頭をトントンして皮膚に刺入します。
黄色の飛び出ている部分をトントン。鍼を持っている左手の【押手(おしで)】も大事。
鍼灸師にとっては当たり前で写真でも特に説明もなく載せていることも多いようです。
鍼をする部分にもよりますが、鍼をした、抜いた、という感覚がわからないことも多いくらい。不意に動いてしまったりすることを避けるためにも「鍼していきます」「取りますね」と声をかけていきます。
治療院へ来てくださるのは、鍼の痛みについて不安がある(かもしれない)けれど、それでも悩んでいる症状を改善したいという方です。良くなるなら鍼の痛みは問題じゃないとはっきりと口にされる方も。
施術を受ける際の不安で、「鍼の痛み」はそれほど大きくないと考えています。どんな物で何をされるのか分からない不安はあるので説明していますが、一番の不安は自分の症状についてと施術の後どうなるのかわからないところです。そちらの不安にきちんと説明することが大事だと思っています。
そのため「鍼は痛くないよ!」と声を大にして言うことはあまりありません。
「裁縫の針でも痛いから、鍼も痛そうだけど良くなりたいからやってみたい」という70代の方に、管鍼法を見せたら「初めて知った!」と喜んでもらえたので今回はそんな内容にしてみました。
鍼は痛くないよ(声大)